椎木彩子 個展「そこで咲いている」

優しいまなざしと、力強さと繊細さを併せ持つタッチで、生命力あふれる絵を描く画家・椎木彩子さんの個展『そこで咲いている』。その宣伝美術と、あわせて制作されたカレンダーのデザインを担当しました。 コロナ禍で世界が不安に包まれた灰色の時期、椎木さんは道端で、何も変わらず鮮やかに咲き続ける花々にひかりを見出し、それを描きました。 フライヤーのデザインは、彼女が描いた花々の色に吸い込まれるような感覚を起点に、花の色彩を引き立てることを意識した構成にしています。 タイトル『そこで咲いている』は、弱々しい存在感で端にそっと置くことで、誰に見せるでもなく、ただ路上に凛と咲き輝く花の慎ましさを表現しました。 文字の印刷には銀インクを使用し、花の色彩をより際立たせながら、光を受けて穏やかに輝くニュアンスを加えています。 また、個展にあわせて制作したカレンダーは、花々を家に持ち帰り、卓上にそっと飾っていただけるような、控えめでやさしいサイズ感に仕上げました。